それから、しばらくして家を出た俺達。
「遅いよ!」
「果夏落ち着きなさい」
家の前には、長い時間待たされて苛ついてる果夏とそれをなだめてる騎羅がいた。
少しぐらい待てよな。
「わりぃな。てか、騎羅達がまさか黒髪にすると思わなかった」
そう。あの日以来騎羅達の髪の毛は金髪から黒髪に変わった。
それは、まあ突然でビックリしたけどな。でも、中学の時に戻ったみたいで何故だか楽しくなった。
「もう、二度と後悔しないようにね」
「そうだな。俺達は色々遠回りしすぎた。だからこそ学べたこともあったけど」
「そうだね。辰季がいなくなって、あたし達は心を閉ざして今度は莱まで居なくなりそうになって、本当にいろんな事あったよね」
それでも、俺達は今生きている。いや…生きてないと駄目なんだ。
「辰季のために」
「いきなりどうしたの?莱?」
「いや?なんもねぇ(笑)」
辰季。俺達はお前に会えてよかったよ。中学の時出会ってなかったら今頃みんな仲良くなってなかったし。それにな?
「莱達!!!早くしないと遅刻するよ?何?また先生に怒られたいわけ?」
「麻耶」
あの時崩れていた仲も話し合ったらよくなったんだ。これを、中学の時にしてたらよかったな。辰季は気づいてたんだろ?麻耶がこんなに悩んでいたことを。そんな辰季に気づいてやれなくてごめんな。