痛い頭を我慢しながらも俺は教室に向かった。
教室に入るとやっぱり注目をあびた。
前にも…あった。
前にも注目も浴びたことがある。でも、何でだっけ…思い出せねぇ。
「鈴村!大丈夫か?」
誰だっけ…こいつ。
それと、隣の女…誰だ。
「莱!遅いから心配しちゃった!」
「あ、わりぃ。大ちゃんと話し込んでた(笑)あと…わりぃ、覚えてねぇから名前わかんねぇや」
俺がそう言うと何故かクラスのみんなは笑い出した。なんか、俺変なこと言ったか?
「あはは!!そうだったな!俺、悟!んで、隣の女が紗枝!」
「紗枝です!よろしく!」
俺は、差し出された手を握りしめた。
悟と紗枝ちゃんか。よし、覚えた。
「こっちこそ、よろしくな!」
お願いだから、俺の記憶早く戻れ。
このままだと、なんか駄目な気がする。それに、頭の痛みがさっきより酷くなった。
「悟…わりぃ…倒れる」
「は?おい!鈴村!!誰か先生呼んでこい!」
俺は、その声を最後に意識をなくした。

