そういえば、適当に日にちも決めちゃったけど、大丈夫かな。確か、園ちゃんは帰宅部だったと思うけど……。なんて思いながら園ちゃんからの返信を待つ。

 しかし私の心配は杞憂に終わったようだ。園ちゃんから帰ってきたメールには「大丈夫」だということと、「ありがとう」という私への感謝が綴られていた。

 感謝なんて、されるほどできた人間じゃない。だって私、たぶん、心から園ちゃんの幸せを願えてない。心の奥底にある自分でもよくわからない気持ちを隠して、それでもってやっと、園ちゃんの幸せを願っているのだから。

 「本当に、私って、嫌な奴」

 その呟きは私の耳にこびりついて離れない。

 私は手に持っていた携帯をベッドの上に放り投げた。そして自分は枕に顔を埋める。今日が雨だからだろうか。枕からはいつものような太陽の香りなどするわけがなく、その代わりに湿った匂い私を包み込んだだけだった。