また一つ、伊勢谷くんのことを知れたという嬉しさに、園ちゃんの存在が混ざり合って、私はどうするべきなのか見当もつかない。
私は心を落ち着かせるために、その写真を食い入るように見つめた。混じりけのない真っ白の毛並みが、写真でもわかるくらいやわらかそうで触りたくなる。
「宮辺さん、この写真、いる?」
「え、いいの?」
「うん。じゃ、メール送るからアドレス教えて」
私は鞄から携帯を取り出す。何の変哲も、可愛さの欠片もない真っ白の携帯。ストラップもなにもついていないそれは、全く女の子らしくなかった。
「えっと、赤外線? 私が送るんで大丈夫?」
「うん」
伊勢谷くんは私が携帯を弄る様子を見ていたようで、視線が突き刺さる。人に見られながら操作するのは恥ずかしかった。

