空はどんよりと暗い。そして私を、待ち受けるのはどしゃ降りの雨。
いつもならちょっと嬉しくなってしまうそれも、いまは嬉しくない。
園ちゃんと話終わってから私は、梓にすべてを話した。私の、不確かな想いを除いたすべてを。
正直どうすればいいかなんてわからなかったし、その答えを梓に求めていたわけでもなかった。
どれが正解か。
そんなことがわからなくても、私がやることは決まっている。園ちゃんと伊勢谷くんが幸せになればもう、それでいい。幾度考えを巡らせようとも、出てきた答えは結局それだった。
梓は苦々しげな顔をしていたけれど、「彩月の好きにすればいいよ。私はそれを応援するから」と。笑いながらそう言ってくれた。