「タカに会いたい」

 やっぱりな。そうは思いながらも上手く反応できない。なんて答えればいいか、わからない。

 「お願い彩月。私のことを言ったら会ってくれないかもしれないから、」

 園ちゃんは一度そこで言葉を区切る。その先の言葉は想像もつかなかったけれどなんとなく、聞きたくなかった。

 だけど園ちゃんは決意したように、手のひらをぎゅっと握ってから口を開く。

 「彩月から、誘ってくれない? ……私の名前を、出さないで」

 その、薄ピンク色のきれいな唇から、なんて残酷な言葉を発するんだろう。

 胸が痛い。悲鳴をあげている。だけど、

 「……うん、まかせて」

 そんなことを言ってしまった私は、よっぽど自分を痛め付けたかったらしい。