「今日からテストだからね。3日間は部活オフ」
朝から会えて嬉しい。でも、この図ったようなタイミングは嬉しくない。
神様からのお達し? せめてこの期間内に聞けって? それが本当なら、なんて意地悪な神様なんだろう。私にはまだ、そんな勇気ないのに。
「テスト、大変だね」
ははっ。頑張って話を繋げて。それでもって、引き延ばそうとして。
バカじゃないのかと、自分でも思う。だってこれは、「must」じゃなくて「want to」であるはずなのに。
「今回はそんなに範囲広くないから、たぶんなんとかなる」
そう言ってから彼は話を続けて、私はそれに相づちを打っていたけれど、ほとんど聞いていなかった。相づちを、打っていただけ。
いつ聞こう。どうやって聞こう。
そんなことを考えて、できれば遠回しにしたい自分が情けなくて恥ずかしい。別れの時は刻一刻と迫ってきているのに。

