部活、何やってるんだろう。
 高校、どこなんだろう。

 聞きたいことはたくさんあるのに、何一つ聞けない。私の口にはチャックでもついてるのかな。

 電車が揺れる。その度に私は倒れまいと足に力を入れた。だって倒れたら私は彼に寄りかかってしまう。そんなこと、できない。

 ドアが何度か開いた。外から流れ込んでくる空気が一々、私たちの間の換気をしているみたいだった。だけど、この沈黙はやはり解けない。

 そして園ちゃんの最寄りに着く。さすがにこの時間に園ちゃんが乗ってくるわけがないとは思いながらも、一人でドキドキしていた。

 こんなところを見られたら絶対に後でからかわれる。

 そう思うと顔が赤くなる。私の顔はドアが閉まってもなお、赤かった。