「購買のプリン買ってあげるから!」

 なんて、最高の落とし文句なんて言ったわりに、安い気もするけど。

 「……仕方ない。ただし、『起きれたら』だけどね」

 なんだかんだで優しい梓は、こう言うけれど絶対に来る。間違いない。そう思うと頬が緩んでしまって、にやにやとしてしまった。

 「ありがとう!」

 気分が良くなっていつにもなく上機嫌な声を発したつもりだったけれど、そんな私に水をさすように梓の妙に冷めた声が聞こえてくる。

 「なんか声、気持ち悪いけど」
 「え、声気持ち悪いって何!?」
 「や、そのまんま」

 私の気分は急下降。ひゅるるるー、って音さえするんじゃないかと思った。

 とにもかくにも、梓は明日来てくれるらしいし、もうそれでいい。電話口では梓が別れを告げたところだった。私もそれに返すと机の前に立つ。