私が寝ている間に雨は降りだしていたようで、小雨だったけれど目に見える程度には降っていた。ずしりと肩が辛くなる。私は鞄を一瞥してから辺りを見渡しながら改札を出た。
今日もいないのかな。
私はいまきっと、沈んだ表情をしている。なんとなく、鏡を見なくてもわかった。
うーん。ほんとに、いないのかなぁ。
私はなおもきょろきょろと、首を動かす。彼のことはあまり覚えてはいなかったけれど、それでも彼がいたのなら見つけられる気がした。
……いない。
もう仕方ないのかと諦めて改札から離れる。そして駅の外の方に目を向けた。
え……、あっ!!

