あまごい




 ぷしゅーっと音がして、揺れが止まる。私はその衝撃で浅い眠りから目覚めて、ゆっくりと目を開いた。

 どこだろう。……って!! 降りなきゃ!

 私が覚醒したときにはすでに開いていたドア。いつ閉まるか気が気じゃなくて、もし私が出る前に閉まったらどうしよう。だとか、頭では色々考えていたけど、体は単純だった。

 出なきゃいけない。それだけを考えてドアへ向かう。幸い乗車客はいないらしく、私は飛び出るように電車から降りた。

 「助かったあ」

 背後ではドアが閉まっていて、やがて電車が去っていった。私はそれを見終わらないうちに改札口へと向かう。