女子高にいると、わりかし出会いがない。合コンだとかそんな話も舞い込んでこない――のは、私だけだったりしたら悲しいけど――し。それに私の場合、そんなに積極的に話す方じゃない。

 「あー、彼氏ほしー」

 園ちゃん……アグレッシブ。

 園ちゃんは机の上で項垂れる。ちらりと梓に目を向けると、少し苦笑いをしながらも、園ちゃんを暖かい目線で見ていた。

 彼氏、かあ。
 うーん、縁がないな。
 いつか、私にもできるのかな。かなり遠い未来になりそうだけど。

 そんなことを思いながら、私は梓と同じように園ちゃんをぼうっと眺めていた。





 鞄の中はずしりと重い。もしかしたらそれは私の勘違いかもしれないけれど、その原因は間違いなくこの折り畳みにある。

 私は鞄を一瞥した。外見は何一つ変わらないけれど、中身は違う。