家政婦はうちに来るようになって、しだいに別人のように変わっていった。
そう、冷たくなっていったんだ。
私が、家政婦に何をしてもらっても、何を話しかけてもらっても笑わなかったのが原因らしい。
あまり家政婦になつかず、話すことも自分からはしなかった。
学校以外は部屋に閉じこもって夜ごはんも少ししか食べず、あとは残したりするのが毎日だった。
家政婦は、そういうのとか、いろいろ気に入らなかったらしい。
「あんたってホント、つまらない子よね。」
その家政婦の一言から始まった。
日に日にひどくなっていく嫌み。
馬鹿にして笑うようになった家政婦。
あのはじめに来たときの笑顔がうそのようだった。
「かわいそうな子。」
そう言うようにもなった。
家政婦の行動がイヤになって、私は家政婦を避けるようになった。
そうして、今に至る。
しばらくの間会ってないけど、避けるのさえ疲れていた。
正直、キツい。
朝早くおきて、夜は10時に帰る家政婦を避けて10時過ぎに家に帰る。
そして学校の課題や、用事をしていたら寝るのはいつも12時くらい。
そんな生活とプレッシャー、疲れにたえながら、私は生きている。
人生ずーっと、こんななのかな。
道を歩きながら見上げた空は、輝きのひとつもなかった。