心の迷路




帰り。


私はてくてくといつもの道をブラブラと歩いていた。


携帯をいじりつつ、一人で歩く。


すると、誰かに声をかけられた。


「なに、ひとり?」


前を見ると、5、6人の高校生くらいの男の人たちが立っていた。
私は携帯を閉じ、その人たちを追い抜かしていこうとした。


見てみぬフリで。


だって、面倒くさいじゃん。


すると、高校生は簡単には通してくれなかった。


「ちょいちょいちょい待てって。君今一人だろ?一緒に遊ぼーよ!」


5,6人の中のリーダー的存在の奴が私の肩をつかんでそう言ってきた。


「……放して。」


私は目もあわせずそう言う。


そうしたら、リーダーの周りの男たちに囲まれた。


「イーじゃん。遊ぼーよ。どうせひとりだろ?」


 どうせ……ひとり。


「そうだよ。どう見たってひとりじゃん。ね、だから遊ぼ。」


 ……。


 そうか、ナンパか。


次々へと言葉を発してくる男たちに、私は下を向いていた。


「遊ばない。仲間とでしか行動できない人たちは、怪しいとしか思えない。」


そう私は言った。


「んー?なんか言った?さ、行こ!楽しいことしよ!!」


聞く気はないみたいだ。


 ……しつこい。


「何したって楽しくない。ふざけたことばっかしてないでもっと勉強しなよ。」


その一言で、高校生たちの表情が変わった。


「んだとこの女。ふざけんな。」


リーダーの奴が言ってきた。


「ふざけてんのはどっちよ。そこどいて。私行くトコあるの。」


「あ?通すかよ。お前、シメてやる。」


そりゃああんなこと言ったら怒るわなぁ。


「どいて。」


「マジ許さねぇ。」