コンビニでお昼ごはんを選んでから、レジでお金を払ってすぐに出た。


そして、私は彼に「行こ。」と言って、歩き始めた。


「あ、ありがとな。」


なんかぎこちなくお礼を言う彼。


 私、別にお礼言われるようなことしてないし。


私もはじめは高校までの道は迷った。
結構迷路みたいでわかりにくく、ややこしい道。
コンビニから近いわりには、迷いやすい道なのだ。


「君、今何年生?」


急に話し出してきた転校生くん。


私は少し間を置いてから答えた。


「……2年生だけど。」


「マジで、俺も2年生!」


 あ、そ。
 で、どう言い返したらいいわけ。


転校生くんは嬉しそうに言ったけど、私の冷たい反応にまた話さなくなった。


 ……なんか、急に話さなくなるんだね、この人。
 別にどうでもいいけど。


私は人と関わる気はない。
だから、嫌われようが関係ない。


今は困ってたから、それに同じ学校だから、一緒に行ってあげてるだけ。


「そういえば、名前なんてゆーの?」


転校生くんからの質問。


「……夏野未来。」


その質問に答える私。


「夏野さんか。俺は、若宮千歳(わかみや ちとせ)。ヨロシクな。」


転校生くん……若宮君と言う人は、そう言ってきた。


 よろしく?


「なに?ヨロシクって……。」


私はそう聞いた。


「え、フツーに。友達なりたいなーみたいな。その「よろしく」。」


 ……バカみたい。


私は歩いている途中立ち止まった。


「私、誰とも友達になんてなる気はない。ただ私は道を教えるだけ。


 そんなんで簡単に友達になんてならないよ。バカみたいじゃん。」


そう、彼に言った。


「え。なんで、いいじゃん。」


若宮くんという人は、軽々しく言葉を発した。


「よくない、うわべだけの友達なんていらない。」


「うわべなんかじゃないって。」


「うそ。もっと考えてからそんな言葉言いなよね。」


そう言いつつスタスタと歩き出す私。
もうすぐ学校だ。
はやく若宮くんとかいう人と離れたかった。


「……考えてるっつーの。」


少しすね気味に答える若宮くん。
それでも私の気持ちは変わらない。


「考えてない。そうやって軽々言う人、イヤなんだよね。


 ほら、ついたよ。じゃあね。次からは迷わないようにね。」


高校について、すぐに彼から離れた。


 道は教えたんだし、あとはもう関係ないし。


そう思って、玄関まで早歩きで行った。