ピピピッ。
ピピピピピッ。
ピピピピピッ。


目覚まし時計が、部屋の中で鳴り響く。


「うるっさい!」


私は布団の中からもぞもぞと出てきて、その一言を言い放ちながら目覚まし時計に手を伸ばす。


ガチャンッ!


目覚まし時計をぶち壊す勢いで音を止めた。


機嫌が悪い朝。
時間はまだ朝の5時半。


私はいつも、目覚まし時計を必ず5時半にセットする。
そして用意をして、6時には家を出る。


そして7時くらいまでどこかブラブラして時間をつぶす。
そこから学校に行く。


帰りは放課後、5時まで残ってから学校を出る。
よるの10時までは帰らないようにしているんだ。


だからそれまでは、いつも暇つぶしをする。
その時によって何するか、どこ行くかは変わる。


まぁ、それが日課だ。


夏野未来(なつの みらい)、17歳。


私の特徴は、ロングでストレートな黒髪。
身体はほそめのただの学生。


でも、ひとつ変わったところがある。


それは…笑わないこと。


高1のある日から、私は絶対に笑わなくなった。
だから、今も。



私はベッドから出て階段を降り、リビングへ向かった。