私は生物室を出て、部活中の友妃にメールを打った。

『部活終わったら一緒に帰ろ♪ちょっと話したいことがあるの。正門で待ってるね!』

友妃はバスケ部でキャプテンをしている。部活終了の時間まであと30分ほどあったので、中庭のベンチに座って本を読むことにした。

中庭のベンチからは、職員駐車場が見える。
ぱっと顔をあげると、先生が車に歩いていくのが見えた。

今から彼女のプレゼント買いに行くのかな?

そんなことを考えていると、また胸が苦しくなる。

私、やっぱり先生のこと好きなのかな…
でも相手は先生だよ…?

下校時刻のチャイムが鳴ったので、正門に向かう。
しばらくすると、友妃が来た。

「あかり!お待たせ~!話って何?高原先生のことでしょ!」

うわ、バレてる(笑)

「まぁ、そうなんだけど…」

「ようやく自分の気持ちに気づいた??」

友妃の目がキラキラしてる…

「気持ちに気づいたっていうか…先生、彼女いるらしくて、彼女の話聞いてたら胸がぎゅーってなって…」

「えーっ!?やっぱ彼女いたんだ…」

「7月から付き合ってて、来週彼女の誕生日だから、プレゼントの相談に乗ってほしいって言われたの。彼女の話してるときの先生、声も表情もすっごく優しくて、彼女のこと大好きなんだなって思ってさ…」

「あかり、これは絶対に恋ですね!あかりは先生のこと好きなんだよ。そうでしょ?」

「やっぱ好きなのかな…?相手は先生だよ?」

「好きって気持ちに年齢とか立場とか関係ないよ!…私、今いいこと言った?」

また友妃がニヤニヤしている。

「とにかく!私はあかりの恋応援するよ!」

「ありがとう!」