放課後、私はまた生物室に向かっていた。
授業の質問をするために…というのは口実で、本当は高原先生と話したかったんだ。

「失礼します…」

「あっ、あかりさん!健先生はお帰りになったよ!急用…?」

「いえっ、授業で分からないところがあったので…」

「あっ、じゃあ僕が答えるよ!」

「本当ですか?助かります!」

高原先生は、分からなかったところを丁寧に教えてくれた。

「ありがとうございました!すっごく分かりやすかったです!」

「いえいえ!あかりさんは生物得意なの?」

「先生、あかりでいいです。生物は得意ではないけど好きですよ♪」

「じゃあ…あかりで!生物好きなのか~!教えがいあるな!」

高原先生はまたニコッと笑う。

「先生のその笑顔好きです!」

「へっ!?////」

「いや、ステキな笑顔だなーって」

「あ、ありがとう!」

そのあと気づいたら2時間も2人で話してた。私たちは下校時間を告げるチャイムの音で我にかえる。

「あっ、バス間に合わない…」

「あかり、バス通学なの?」

「はい。でも、最後のバスに間に合わないです。歩いて帰ろうかな!」

私が帰る支度をしていると、隣で高原先生も帰る支度を始めた。

「じゃあ、送っていくよ!今日はもう仕事も終わったから!」

何回も断ったけど、結局、お家まで送ってもらうことにした。