体育館では係の生徒や先生がパタパタと動き回っていた。
私は舞台横の放送室に向かう。
放送室には何人かの生徒と、それから……高原先生がいた。
「あかり、音響係なの?名簿に載ってないけど…」
「あっ、今日休んでる結城さんの代わりです!」
「なるほど!じゃあ、よろしく」
そのあと先生から音響器具の使い方の説明や諸注意があって、生徒はそれぞれ、自分の役割についた。
私は先生と2人で放送室の担当。
なんで、こんなときに2人きりになっちゃうんだろ。
「あかり、何でこの頃生物室来ないの?」
私は黙っていた。
「あの日、あかりに好きって言われて、すっごく嬉しかったよ。あのときは、俺、頭混乱してて何も言えなかったけど、本当に嬉しかった。…あかり、まだ俺のこと好き?」
「はい。大好きです。」
「よかった…。俺さ、あの日からずーっとあかりのことばっかり考えててさ、あかりが生物室来るの期待して、放課後遅くまで残ってみたり、授業中もあかりのことばっか見ちゃうんだよ。教師が生徒にこんな感情抱いたらだめだって分かってるけど、もう抑えられないよ。」
先生はまっすぐ私の目を見た。
「あかり、好きだ。」
