「……ピアノも、変わってないね」 真音は切なそうに言い、ピアノの近くに歩き寄った。 ピアノの上を手で触った。 「ほこり、かぶってる。弾いてないの?」 「うん、最近は全然。中三までは弾いてたけどね。」 そう、少し前までは弾いていたのだ。 真音が、帰ってくると信じて。