さすがに二人きりで何も話さないのはキツかった。 静まり返った教室が冷たく感じる。 「久しぶり」 僕は一言、真音に向けて言葉を放った。 返事が返ってくるか心配で、真音の顔が見られない。 「久しぶり、翼」 ポツリと、真音は言った。 今にも消えそうなほど小さな声だったけれど、真音は静かに笑っていた。 真音は、僕を覚えていてくれた。