ロンリーファイター




「どうせまた残業してたんだろー?」

「悪かったですね、毎日残業する暇のある女で。そっちは男同士で飲み会ですか」

「そ。何てたって今日はな…」

「…あれ、しーなさん…」



そう言いかけた西島さんの後ろから遅れてやってきたのは、フラフラな状態で支えられながら歩く田口くん。

赤く染まった頬と据わった目、その顔から酔っ払っているのであろうことが伺える。



「たっ田口くん!?どうしたの!?」

「…どーもしてないっす…」

「いや完璧に酔っ払ってるでしょ!!」

「ちょっと呑んだだけですぐこの状態でさぁ、意外と弱いのなー」

「ちょっとって…未成年相手に何してんの!!」

「なーにいってるんすか、おれはもうせいじんっすよ…」

「へ?」

「今日田口、20歳の誕生日なんだよ」

「だからそのお祝いで呑みに連れて行ってやったってわけ」

「誕生日…」



夏生まれなんだ、意外…ってそうじゃなくて!