「…、」
目を覚ますと、そこは俺の部屋のベッドの上。
(…あ、れ…)
額にはひんやりとした感触と、台所からは響く物音。
「…律…?」
「あ、起きた?熱はどう?」
呼んだ名前に台所からスリッパをパタパタと鳴らし寄ってきたのは間違いなく律で、その手はそっと俺の額に触れる。
「ん…まだ熱いかな。今お粥作ってるから、食べ終わったら薬飲も」
「律…何で、」
「何でって、あんたが電話してきたんじゃない」
「え?」
「いきなり電話で『しぬ…』って言われて切られたら何事かと思うって」
「……」
そう律が見せる携帯の着信履歴に、自分が意識を失う直前、無意識に律へ電話をかけていたのだと知る。



