誰かに叱られたのも、負けた気分になるのも初めてで、悔しい。すごく悔しい。 だから 「部長っ」 「?何だ、峰岸か…」 戻ってきたオフィスの真ん中で、私は部長相手に声をかける。 「次回の企画って、結局A案に決まったんですかぁ?」 「あぁ、そうだ。稲瀬が何と言おうと関係ない、今年はエスニック推しで…」 「え〜、ありえなぁーい」 「な!?」 「?峰岸さん…?」 甘い声で否定の言葉を口にする私に部長の顔色は変わり、稲瀬さん含め周りの人々はざわつく。