「……」
(この二人って、どうなんだろ)
一見仲良いけど…付き合ってる?けど10歳くらい差あるし、ただの仲良い社員とバイトって感じもする。
それより何より、稲瀬さんに彼氏がいるって図が想像つかない。
(ましてやそんな年下に甘えたり?余計想像できない…)
「……」
「……」
田口くんが去り、また二人きりとなった廊下で私は稲瀬さんに続き歩き続ける。
「…あの」
「?」
「前に私が会議資料作ってなかったことあったじゃないですか」
「へ?あ、うん。そういえば」
「あの時、どうして怒ったりしなかったんですか?」
「……」
私が自ら聞いてきたことに驚いたのか、その目は意外そうにこちらを見る。



