「あっ、峰岸さん。丁度よかった」 そうオフィスへ戻ってくると、そこには一人お昼も食べずに作業していたらしい稲瀬さんがいた。 「?何ですか?」 「これ、三階まで運ぶの手伝ってくれる?」 「え〜?重いの無理ですぅ」 「そんなに重くないから大丈夫。はい」 「……」 可愛くいってみるものの、稲瀬さんは気にもとめず私へ段ボールを手渡し、自分も持って歩き出す。 「じゃ、行こ」 「…はぁーい」