ー…
理想は、顔良し収入良し性格良し…そんな相手と恋をして、結婚して寿退社。
相手の条件も自分の気持ちも、何一つ妥協出来ない。その為に自分を磨いて運命の相手を探す日々。
当然そう簡単に出会えないことは知っているけれど、なかなか出会えないからこそ出会えた時は運命なのだと期待して。
「……」
翌日の昼休み、食事を終え歯を磨こうと私はトイレへとやってきた。
(午後も資料作り…面倒くさーい)
はぁ、と溜息交じりにトイレへ入ろうとドアを開けようと手をかけた。
「けどさー、本当綾乃って男好きだよね」
「…、」
その時聞こえたのは、私の話をする声。



