「…はい、着いたよ」 「稲瀬さん、降りるっすよ」 「はーい…あ、おかね…くれじっとかーどで」 「それ社員証っす。俺が払うんでさっさと降りてください」 「うー…」 そんな心地良い時間はあっという間なもので、アパートについたタクシーに急かされるように降りた。 「部屋は?」 「にかい…にーまるいち…」 「201…」 そして田口くんに体を支えられようやく着いた自宅で、鍵を開けドアを開けた瞬間私は家の中へ倒れ込む。