ー… 「で?田口と喧嘩してきたってか?」 「……」 その夜、私は滝さんと二人いつもの居酒屋で向かい合いビールを飲んでいた。 話の内容は勿論、昼間の涼平くんとのこと。 「だってあれは向こうが悪い!たかがって!」 「仕方ねーだろ。男からすればくだらない内容だよ」 「何ですって!?」 「あ、いやいや何でもない。くだらなくないよなー、うんうん」 八つ当たりのように噛み付く私に、滝さんは棒読みのフォローをする。 そんな態度に私はふんっとふてくされビールを飲むと、空いたグラスにおかわりを頼んだ。