ーそうして滝さんとの飲みを終え、足の向った先は自宅…ではなく、彼女の家。 (帰ってるのかな…) 時刻はもう10時を過ぎている。 こんな時間に訪ねるのは非常識、そう思いながらも今の気持ちは止まらない。 「……」 その家に続く、外灯の照らす細道を歩いていると、カツ、カツ…と小さく響く聞き慣れたヒールの音。 「…田口、くん?」 「…、」