「…、」 一人早足で歩く朝の道は、眩しい日差しとは裏腹に痛いほどの寒さが伝う。 はぁ、と吐き出した溜息は、真っ白な形となってすぐに消えた。 (…やっぱり) 酔っ払ってただけで誰でもよくて、特別な気持ちとかはない。 それなのに、私一人で浮かれて恥ずかしい。 バカみたい。 わかってたのに、わかってなかった。 本当、バカだ。 「…、」 柄にもなく泣き出しそうな自分にぐっと唇を噛んで堪えたら、鼻の奥にツンとした痛みを感じた。 それにまた更に泣きたくなった、冬の朝。