「…?」 「何か、安心したような悔しいようなよくわからない顔してるから」 「……」 細い指は可愛がるように、そっと髪に絡む。 「…子供扱いしないでくださいよ」 「してないよ。でも髪の毛ふわふわで気持ちいいね」 「…やめてください」 「あ、照れてる?」 「照れてないっす」 「照れてるよね?」 「ないっす」 あはは、と笑う表情につられてこぼれる笑顔。 からかわれて一人動揺して、結局そこに残ったものは 彼女を好きだという気持ち。 譲れない、離せない 椎菜さんのことが、好きだ。