「あ、田口」 「?」 「さっき稲瀬から電話あってさ、急ぎで必要な資料があるから持ってきてほしいってことなんだけど…お前手空いてるだろ?頼むわ」 「はぁ」 「昼飯がてら新宿店の近くのカフェにいるから、ってさ」 「……」 (気まずくて会いづらいんだけど…) けど頼まれたものは仕方ない。先輩にそうファイルを一つ手渡された俺は、新宿店近くのカフェを目指し会社を出る。