ー…
「いやー、それにしてもやっぱ綾乃ちゃんは可愛いよなぁ〜」
「……」
その夜、場所は行きつけの駅前の居酒屋。
がやがやとにぎわう店内の端の席で、俺は西島さん含め5人ほどの会社の先輩に囲まれ呑みに付き合っていた。
アルコールに弱い俺のグラスには、コーラが注がれている。
「西島は綾乃ちゃん好きだよなー」
「だってあの可愛い顔で『西島さぁん』って甘えられてみ?そりゃあメロメロにもなるって!」
「お前彼女いるんじゃねーの?」
「いるけど…やっぱ毎日綾乃ちゃん級に可愛い子見てるとダメだよなぁ」
「うわ、嫌な彼氏だよ」
「そういうお前はどうなんだよ、管理部の子とは」
「俺はー…」
「……」
コーラを飲む俺の前で繰り広げられている会話は大体いつもこんな感じで、誰が可愛い、誰がむかつく、彼女がどうの…と、聞けば女同士の会話と大差ないものだ。
(こういう会話好きだよなぁ…)
そう興味なく聞き流すものの誘われればついてくるのは、先輩たちの奢りでタダで食事が出来るから。



