絶え間なく出る溜息にぐしゃぐしゃと髪をかいていると
ーピンポーン、
またも鳴るインターホンの音。
「はいはいどちら様ですか!?」
次はどんなことがあるのか、もう嫌な予感しかしない私は半ばヤケになりつつドタバタと玄関へ向かいガチャリとドアを開けた。
「……」
そこにあったのは、なんと田口くんの姿。
「…!?田口くん!?」
「…どーもっす」
「どうしたの?わざわざうちまで…」
「本当は会社で渡そうと思ったんすけど…何かそういう空気じゃなかったんで」
「え?」
そう呟いて彼が差し出したのは、白い紙袋。
「誕生日、プレゼント」
「……」
…え…、これのために、わざわざ?
「それだけなんで、じゃあ…」
「まっ待って!」
足早に去ろうとした田口くんに、私は咄嗟に引き留める。
「?」
「…ケーキ、食べて行かない?」
「え?」
「沢山、あるから」
「……」



