ー…
「椎菜さん」
「?…あ、田口くん」
その翌日、仕事中に声をかけられ振り向くとそこには田口くんの姿。
「あの…この前はすみませんでした」
「え?あぁ!私こそいきなり帰っちゃってごめんね」
「いや、そもそもはいきなりあいつらが来たから…」
「ううん、全然いいよ!あっ、そういえばあの時いた佐藤さんって新宿店の子なんだね!知らなかったよ!」
「あ…佐藤と言えば、あいつと何かあったんすか?」
「え?」
「佐藤から『稲瀬さん怒らせたかも〜』って泣きながら電話きたんすよ。それ以上は教えてくれなかったんすけど」
「あー…あはは、大したことないよ。佐藤さんにも気にしないでって言っておいてね」
それだけ言って、すぐ背中を向けて仕事へ戻った。
「……」



