「?何すか?」
「う、ううん。何でも」
「?…あ、」
「?」
すると不意にその手は伸ばされ、そっと私の唇を指で撫でる。
「…ソース、ついてる」
「……」
唇に触れるその指先の体温。
それ一つで、湧き上がる意識
「っ〜…」
それを表すように、私の顔は一気に真っ赤になる。
「…あっありがと!ごめん!口にソースつけてるなんて恥ずかしいなー!!」
「……椎菜さんって、意外と男慣れしてないんすね」
「へ!?」
「耳まで真っ赤、」
誤魔化すように言うものの彼には私の動揺などお見通しらしく、そうふっと笑って、私の顔の横の髪を持ち上げ熱くなった耳を見る。
「……」
「…、」
その仕草に、更に顔は熱くなる。
けれどじっと見つめる目は、逃がしてなどくれない。



