「美味しそう！これ田口くんが？」
「料理好きなんで」
「すごーい！いただきます！」
早速私はフォークを片手にハンバーグを食べ始めた。口に入れた途端広がる、濃いソースとふわふわのハンバーグの味。
「ん！美味しい！」
「まじっすか。よかったっす」
「お店出せるんじゃない？それくらい美味しいよ！」
「…大袈裟」
私は本気で言っているのだけれどそれをお世辞と受け取ったらしい彼は、笑いながら私の隣へ腰をおろし同じように食事を始める。
「いつもこうやって自炊してるの？」
「時々…ただこういう凝った料理は友達に頼まれた時とかだけ」
「へぇ…」
「今日は、椎菜さんの為」
田口くんはそう小さく笑みをこぼして、こちらを見た。
「…、」
しっかりと交じる視線に、思わずドキリと心臓が跳ねる。
