「いやもう買い物終わったんで。
付き合って頂かなくて大丈夫ですから。」

そう言って怜奈の腕を掴み横をすり抜けようとするがヤンキー1に腕を掴まれてしまう。

「じゃあカラオケでも行こうよ!!
俺達奢るし?」

…なんなんだ本当に。
翔には面倒臭い質問されるし。
身支度で一時間以上直哉にはどやされるし。
怜奈には3時間も待たされるし。
極めつけがこれかよ。

「…離せや。」

「は?」

「離せっつってんだろうがああ!!」

突然清水が腕をひねった為ヤンキーの手が離れる。

背を向けたまま鳩尾に肘鉄。

相手が一瞬怯んだ隙に背中に周り首に腕をかける。

「…私、機嫌悪いんだわ。
どっか行かないなら本当にこのまま首折るわ。」

ヤンキー2が固まっている。
その間にもヤンキー1の顔はドンドン真っ赤になりもがいている。

「わっ分かったから!!」

ヤンキー2がハッとして叫んだ時にはヤンキー1の顔は真っ青に変わっていた。

清水が解放すると2人は悪役の名台詞
『覚えてろよ!!』
と叫んで走って行った。


「…大丈夫ー?」

よほど怖かったのかしゃがみこんだままの怜奈に清水は声をかける。

しかし怜奈はポカンとしたまま動かない。

「…たく。
ほら。」

清水が手を差し出すと怜奈が顔を赤らめその手を取る。
…顔を赤らめ?
あれ?

「…王子様っ!!」

「…は?」