「俺トイレ~」
そういって部屋を出ていくしゅん。
足音が遠くなったのをきいていたら
アキが口をひらいた。
「この前さ、
駅前のファーストフード店いったじゃん
その時トイレいくとかいって
おまえ薬飲んでただろ
なんの薬だよ?」
....やっぱアキは鋭いな。
たしかにあの時、
発作が起こりそうだったから
俺は薬を飲んだ。
でも、言えばきっと
優しくされる。
俺は一瞬考えたふりをして
ちょっとわらっていった。
「あれ、頭痛薬」
アキは
なにも言わなかった。
その時しゅんの足音がもどってきたから
俺もなにも言わなかった。


