すると、 「……―あ、翼くん!」 俺に気がついたさくらが、カバンを肩にかけて俺の方に来た。 「ごめんね、待った?」 「いや、ついさっき来たとこ。カバン貸して?持つから」 「え、いいよ!自分で持てるよ?」 「いーから。俺が持ちてぇの」 そう言いながら俺は半ば無理やり、さくらからカバンを奪い取った。