「……―ね、ねえあのさ、チョコ……好き?」


「え、あ、うん……」



ろう下を歩いていると、そんなような男女の会話が耳に入った。


なんだぁ?あの、やけに甘い雰囲気は……。


「……おい、日向。なんだよ、あの甘いやつらは」


「なんだよ、って……明日だろ、バレンタイン」



日向が当たり前のように答える。