・・・

仕事中。

同僚が、首に付けてる指輪に気が付く。

「その指輪、彼氏から?」

そう言って質問され、

私は返答に困る。

…彼氏であって、彼氏じゃない。

その複雑な関係に、

あてはまる単語は一体なんだろう?

・・・

「私も聞きたいな?」

「「え?」」

突然私たちの後ろからそんな声が聞こえた。

振り向いたら、

そこに正樹の姿が。

・・・

「先生、ダメですよ?

玲奈にはこうしてれっきとした彼氏が

存在するんですから、

狙っても、勝てませんよ」

クスクスと笑いながら、

同僚が言う。

・・・

私は相変わらず何も言えなくて、

黙り込んだまま。

「そうか・・・それは残念だな?」

正樹はそう言ってニコッと微笑んだ。