どうしようもない幼なじみに…




「はぁ?意味わかんねーし。俺は桃花と片想いなんだぞ?なのにペアとかさ…。オマエは両思いだからペア組んだって…」

 俺が言うと、凌太の表情が変わった。

 何だ…?なんでいきなり…。

「両思いじゃないっすよ。俺、フラれたっすから」

 凌太はそれだけ言って、桃花の方へ歩いて行った。

 意味わかんね…。今のって、ただ単に逃げただけじゃねぇのかよ…?

 俺は凌太と桃花が仲良さそうに喋っているのを遠目に見ていた。

「……ごめん、桃花…」

 俺は誰にも聞こえない声でそっと呟いた。