俺が聞くと凌太はほうきにもたれて「あー」と声を出した。
発声練習…か?
「大和っち。俺、今日桃花っちとキスしたんすよ」
凌太の言葉に、心臓が止まるかと思った。
「はぁ?凌太、冗談だろ?」
「本気っすよ。俺、桃花っちと二回キスしたっす」
桃花のヤツ…なんでだよ…。
俺とキスして、凌太ともキスとかありえねー…。
「桃花っち、嫌がってたっすよ」
…凌太、無理矢理キスしたのか?
なんて思ってたらそうでもなかった。
「大和っちにセクハラされて嫌がってたっす」
俺は教室にいる桃花を見た。確かに民宿でも嫌がってたけど…。
「この際、もう決着つけた方がいいんじゃないっすかね。俺としてもハッキリさせたいっすから」



