どうしようもない幼なじみに…




「大和は変態だもんね」

「でもさ、だからって桃花っちにエロいことして言い訳じゃないっすよ?」

 凌太はそう言って残ってるサンドイッチを食べた。

「そうだね。にしても凌太、よく一人でここに来れたね」

 凌太は有名かつ人気なアイドルだから休み時間は女子に囲まれている。

 そんな凌太が一人で屋上に来れるなんて珍しいんだ。

「そのことっすか。トイレに行くから一人にしてくれって言ったら皆一人にしてくれたんす」

 そ、そんなけ…?

 私は拍子抜けた。

「言ってすぐにはどいてくれなかったから、ウィンクしたら皆言うこと聞いてくれるんすよ。案外女子って単純っすよね」

 凌太はそう言って水筒のお茶を飲む。

「男子よりは単純じゃないよ」

「まぁ、女子のハートはデリケートっすからね。それに女心なんて入り組んだ迷路並に複雑だとか俺も最近思うっす」

 最近、なんだ…。私は驚いた。人気アイドルなのに、女心の複雑さに気付くの最近…ってどんなけよ?