「タクミが心配かけたくないからって言ってたから言わないようにしようと思ったけど限界!」
「お見舞いくらい行ってあげなよ!」
「最低!」
キーンコーンカーンコーン
「やばっ!」
「もういいよ!行こう!」
「マジありえねー」
「最っ低!」
……………………………えーと。
取り残されたあたしの頭の中はまだ真っ白。
意味がわからずに罵倒された、それだけはわかった。けど……
……………………………えーと。とりあえず。
教室。行こっかな。
「お見舞いってことは病気かケガかしたんじゃない?
んで、萌がお見舞いに来たら心配するからいいよ、と言った?のかな?」
「たぶん……」
お昼休み。屋上でトイレ前で起こったことをユカに話した。
ここならきっと、さっきの女子達来ないし。たぶん。
「私、ゆるふわが病気?なの知らないんだけど……」
「連絡先とか知ってるの?」
ユカの質問に全力で首を振る私。
それを見てうーん、と少し唸るとポン、と私の肩に手を置き、
「気にしたらダメ。無視ムシ!」
「らじゃー!」
ゆるふわがどうなろうとそもそも知ったことじゃないし、いなくなってせいせいしてるし。
何で嫌いな奴のお見舞いに行かなきゃいけないのよ。看病したけりゃ自分達でしたらいいじゃん。関係ないない。
冷静に強気になった私は、相談料のタコさんウインナーをユカにあーんした。
