若干引き気味の男子を余所に、ひとまず教会に入った。
「まずはお参りだねっ♪」
苺ちゃんはキリストの像の前に置いてある聖書の上に五円玉を投げて、パンパンと手を鳴らした。
……神社じゃないんですけども。
それに倣って
「じゃあ、私も♪」
「俺も~。」
と未知子と龍一も五円玉を……って、神社じゃねーよ!
壱吾クンは一応「…どーも」と頭を下げる。
熱心に祈る未知子。
ステンドクラスから差し込む光に照らされるその姿はまるで一枚の絵画のよう……
その神々しいばかりの光景に龍一は目どころか心まで奪われた。
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