男子がはぁ~、と溜息と共に頭を掻き、身を翻す。 「……おぃ。」 「何かシラケタ…」 それは同感。 一旦は引き留めた壱吾クンだが、去って行く敵をすんなり見送った。 名も知らぬ男子生徒さん。 邪魔しちゃってゴメンナサイ。 でも順番譲ってくれてアリガトウ。 さぁ、いよいよ次はわたしの番!! と、苺ちゃんは鼻息を荒くして意気込んだ。 クルリと振り返った壱吾クン。 落ちていた鞄を拾い上げ、子犬みたいにキラキラした目で待ち構えている苺ちゃんを一瞥 ―――することなく歩き去った。 ……………あり?