ちょっと照れつつカップケーキを受け取って





―――壱吾クンは顔を引きつらせた。




「……このピンクはなんだ。」


「んふっ。なんでしょー♪ヒントはねー。三月三日のチラシずしの為に買ってはみたモノのその後使いみちもなくて六月になっても冷蔵庫の片隅にひっそり残ってたりするモモイロいやつ~。」





………デンブですか。


あの甘くてふさふさっとしたヤツ。



出血大サービスでデンブが練り込まれた生地は、ふさふさとまるでピンク色のカビで覆われたよう…。


つか、甘いけどお菓子に合うのかあの食材!!


いや、意外な組み合わせが新しい料理を生み出すものだ。







食べて食べてと急かされて、壱吾クンは覚悟を決めてカップケーキに齧り付いた。





((((ひぃぃぃぃぃ。))))



口には出ない女子達の絶叫。








口から苺ミルクなどろりとした液体を滴らせた壱吾クン。


もはやこの世のモノとは思えない猟奇さ。